「壁派の下塗り」

壁派的絵の下塗りは、バケツ半分位ヒル石を入れて、
そこにボンドをたっぷり入れ、そこにセピア系の粉えのぐを入れ、壁土の固さにこね合わせる。時に石膏を入れたり、
白セメントを入れることもある。

これを100号のパネルに荒目の麻布を貼っておいて、
バケツの中に作ったペーストを
左官屋さんのコテで塗り広げてゆく。
パネルは段々重くなるので、立てるわけにいかないので床に寝せ、ブリッジを作ってブリッジに乗って仕事を進めてゆく。
そして表面が適当に乾いたとき、コテやナイフ、くぎやいろいろな
ものでひっかいて、ときにドリルで跡をつけてゆく。
乾いてから上に油を抜いたジンクホワイトを
ローラーで薄く2、3 回塗り広げる。

これで絵の描けるパネルが出来たわけだが、
今度展示している小品は材料が無くなって、
何しろ戦後間もなくのことで、補充もつかず
壁派的下塗りを省いて、ただアイデアで描いたものになり、
本当の壁派とは言えないかも知れない。

                         丸山 正三







「光と色のポエム」

“光” 。チャップリンの名作 “ライムライト”を想い出す。
人生のすべてを、
この一つの言葉で表現しようとつけられた。

エストレリータ “小さな星“ 。美しいメキシコ民謡。
“私は小さな星だけど、一所懸命輝いている” 。
そんな詞が心を打つ。
丸山正三の世界は、“光“ そのものだと思う。
汚れのない、美しい光に包まれて表現された色彩の世界。
それは観る人に、歓びと希望と勇気を与えつづけるに違いない。

                          豊口 協