井垣 知秀 Tomohide Igaki 

森は常に、生命を育み、循環している。その中に身をおいて、眺めて
みる。耳を澄まして音を聞き、空気を感じて森の匂いを嗅ぐ。樹々に
手を触れ、森と一体となる感覚を味わう。すると、森のエネルギーが
身体を通り抜けて、気持ちや身体が濾過されるように感じる。

そうした時に自分が感じた感覚のようなものを、形にしようと試みて
いる。自分自身も循環している自然の一部なんだということを確認す
るためであり、また、見た人の心の中にある、人間の本来大切にした
い感覚や記憶のかけらのようなものを少しでも呼び起こせたらと思い
制作している。それは小さな聞き逃してしまいそうな、小さな響きで
あるが、その響きが共鳴していくことを願って。

午来 馨 Kaoru Gorai 

静寂に耳を傾ける…。
じっと朽ち逝く時を待つものも、新たな始まりへの兆しを宿す。
その響きを聞く…。
想いや願いは古い殻から解放され、次へと紡がれる。

そこには醜くも美しい循環があり、両義を内包した形があります。
鉄という素材、鍛金という造形手法を用いて私から生み出される形は、
様々な姿をとりながらも自然とそこに至るのです。
時には自然物の形をとって、ある時は人の形や想いの塊として。
作品との対話のきっかけとなれば幸いです。






2010年11月