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2014ueno上野憲男展「水の中のノート」

2014年6月12日(木)-6月29日(日) 11:00~17:00
16日と23日休廊, 最終日は16:00まで.
mu·anブログにてレポートをご覧頂けます.
◆ 上野憲男展によせて
大倉宏|美術評論家 


くっきりした強い色。楽しげな線。にぎやかな会話のような形。絵を前にして、困った、と思う。にぎわいや華やぎに会うと、どぎまぎし、気後れしてしまうたちである。
でも背を縮め、しばらく様子を見ていたら、チューブから搾った絵の具をそのまま筆ですくい、なすったような部分、引っかいて、上を半分消したような線、ゆるく溶いた色がしぶきとなって散った跡、色と色のつなぎ目などに、どことなく、「ぽつん」とした感じがある。一人遊びにふけって、しゃがむ、小さい子どもの小さい背中の気配。遠目や画像になるとよく見えなくなる、細部の繊細が、目を近づけると見えてきた。そこから絵に入れた。繁華な通りのうらの、静かな、しめった路地の空気。
私と違って、あざやかな色や、冗舌な線や形にストレートに引かれて、うきうきする人もあるだろう。多いだろう。けれどそんな日なた面に編み込まれた、見えにくい日陰面が絵の空間に、やわらかい奥行きを生んでいる。

新潟日報「あーとぴっくす」掲載