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2011nakatsuka仲塚庸子展

2011年9月6日(火)―9月11日(日) 10:00~18:00
会期中無休, 最終日は17:00まで.

◆ 仲塚庸子展によせて
藤由暁男|福島学院大学名誉教授 


デザイナーでもある仲塚の作品には、画面構成に独自なスタイルがある。一般的な静物画や風景画では、求心的バランスを重視したり安定的な黄金分割など、面や色彩を中心に構成されることが多い。
しかし、仲塚作品は描く線と残された空間の関係に重きが置かれていた。
発表作品の多くは、あたかも画面の外に磁場があるかのように、描かれていた。見えてはいない透視図法の接点に向かって引かれる線と線、その2本に挟まれた空間の分量と対角にある形や色面のバランスに意味を見いだしていたのだ。えっ、この何も描かれていない広い空間に、点の一筆でも置いたら良いのに、と思わせる作品を数多く制作してきた。だが、見るものは、いつかその空間に引き込まれ、順化してしまうかのようだ。この表現技法は、三十年以上の画業経験から得たものである。ただキャンバスの外にある、目に見えない空間さえ自己のものにしてしまうあたりは、したたかな画家の証とも言えよう。ギャラリー空間には、久しぶりにストローク絵画が展示される。女流画家オキーフと同様に“生命観”を優先した以前の作品に回帰したかのようにも見受けられる。
しかし、今回のストロークは違っていた。線の導入部に見られる筆圧の強さや、折りかえし交差する激しい接点に見られる意図的な溜まり。そこには強い意志が潜んでおり、現在を直視する必要な行為だったのであろう。まさに自然の脅威と、その現実を描き込んでいるかのようだ。いまの心情をストレートに描いた作品は、納得させられる。

新潟日報「あーとぴっくす」掲載