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2011kakawariかかわりに距離を経て

岡谷敦魚・小木曽淳・コイズミアヤ・Koharu小春・鈴木均治
仲塚庸子・?島伸彦・舟見倹二・矢尾板和宣
2011年3月5日(土)―17日(木) 10:00~18:00
9日(水)休廊, 最終日は17:00まで. 5日(土)18:00〜オープニングパーティ
◆ 不思議に引き寄せられた9人 滝沢ナオト 


ひとは、ひとり、である。このことを前提として、ひとはかかわりあいながら生きていく。自分を取り巻く外界。他者。どこまで行っても重なり合えない、そのもどかしさは、愛おしさと通底する。老若男女さまざま、表現形態も多様な9人。皆が知己ではないけれど、それぞれのかかわりが不思議な糸のように編み上げられ引き寄せられこうして集まってきた。その幸せな場としてこのギャラリーがある。
微妙な色彩を和紙に刷り端正な立方体に仕上げる岡谷敦魚。シンプルな線と色で構成した画面をプリントで展開する小木曽淳。精密に仕上げられた箱の中に広大な世界を創出するコイズミアヤ。版で鮮やかな薔薇を咲かせ海外でも高く評価される小春。モダンな柄と色のリズムが心地よいテキスタイルの鈴木均治。絶妙な筆のストロークがさまざまな映像を呼び起こす仲塚庸子。生物のシルエットを染め抜いた画面の空間が美しいはい蓜島伸彦。幾何学的シルクスクリーンや自らの記憶を各種素材で構成したボックスを造り上げる舟見倹二。文字も含めた画像をデザインとして構築しいろいろな媒体で表現する矢尾板和宣。それぞれの仕事の一端を上げただけでも、今回の展示が何とも楽しみになる。
手法も形式もさまざまだが、自らの内的な感覚を表出するにあたり、いずれも対象への接し方、媒体のあつかい方が熟考され洗練されている。この距離感が表現の質を高めている。作品を生み出すまでに、削ぎ落とされ研ぎ澄まされていく幾重もの過程があることを思う。
かくして、作者がかかわっていくその世界の広がりの中に、観る者たちもまた包み込まれていく余地が生まれる。ひとりのひととして在ることの意味。かかわりの中で生きていくことの不思議さ、尊さ。さまざまな想念を喚起してくれる、得難い機会である。

新潟日報「あーとぴっくす」掲載