GALLERY MU·AN
NEWS EXHIBITION RECORD RECORD BLOG CONTACT ABOUT WEBSHOP LINK

 twitter
  Instagram
 FACEBOOK

2010tamagawa玉川勝之展『パースオヴパースンズ』

2010年7月25日(日)―8月1日(日) 10:00~18:00
会期中無休, 最終日は17:00まで.

◆ 玉川勝之展『パースオヴパースンズ』によせて
星野健司|彫刻家 


金属造形作家の玉川勝之氏(S34年加茂市生まれ)の個展が長岡のギャラリーmu・anで開催される。筆者は鉄やステンレスで彫刻を作っているので、いつも氏の鍛造作品に注目している。今回の個展タイトルにもなっている『パースオヴパースンズ』というレリーフがある。一枚つなぎの銅板(1・6╳1m)を15に区画し、中に人の顔や旨や尻といった部分を打ち出し、標本のごとく並べた作品だ。
また『defensedefense』(1╳1m)と題された作品は女性のしゃがんだ半身が後ろ向きに(つまりお尻のほうを)ぬっと、見ているものに突出してくる。前掲作品同様これも細かい方形区画が全面に施されていて標本箱というよりはむしろ鉄格子を透かして見たヌードといった趣だ。
玉川氏は伝統的な金属鍛造の、いわば超絶技工の職人である。だから、これくらいの造形は意のままなのだろう。しかし、ここには伝統工芸の「世界」や「情緒」を感じさせるものは微塵も無い。銅板に取り込まれ、封印された人体各部。発散するエロチシズム。存在のアイロニー。醒めたユーモア。作品はまるで現代美術のオブジェのようにクールに底光りしている。玉川氏は新潟の美術状況を、このコンセプションと技巧の挑発的な乖離によって、揺り動かそうとしているかのようだ。彼は「危険な越境者」なのだ。

新潟日報「あーとぴっくす」掲載