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2010maruyama丸山正三展

2010年6月10日(木)―22日(火) 10:00~18:00
17日(木)休廊, 最終日は17:00まで.

◆ 丸山正三・壁派シリーズ『むしぼし展』によせて
豊口協|長岡造形大学理事長 


詩人の心を持つ医師であり画家・丸山正三の個展である。具象作家としてスタートした丸山は、第二次大戦のあと、急激に広がってゆく抽象絵画の世界に刺激を受ける。かつて、17世紀の後半、西洋音楽の世界にバロックの時代が訪れたように、この時代は日本の画の世界にとっては、その本質を問いただす激動の時代であった。
丸山正三は40代をむかえ、独りの人間としての生き方を、自分の力と信念でつくりあげてゆこうとキャンバスに向かった。1957年から制作が始まった「壁派」。他にはない、氏の人生観から生み出された世界である。キャンバスという布を捨て、独自の宇宙を表現する下地を創り出すことに全力を傾注した。壁派の作品は、その下塗りにすべてがある。ヒル石、ボンド、石膏、白セメント、そして絵の具。これをバケツの中で練り合わせ、板の上に塗り重ねていく。その1つの工程に、人生の思いが込められてゆく。そして最後に、丸山正三のイメージが、確かなものとして描かれる。「頭の中に浮遊しているイメージを・・・。確かに素描は、私の祈りである」と語っている。
壁のむしぼし展をのぞいてみよう。1つの壁のむこうに、また別の壁が重なるように続いてゆく。人生は、長くしも奥深いものだと語りかけてくる。それは、とても静かで美しい光の世界である。

新潟日報「あーとぴっくす」掲載