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2010ueno上野憲男の紙・展

2010年5月14日(金)―30日(日) 10:00~18:00
19日と26日休廊, 最終日は16:00まで.

◆ 上野憲男展によせて
柴野毅実|北方文学同人 


2005年、京都・何必館での1回目の個展を見たときに変ぼうの兆しはあったのかも知れないが、それに気付くことはなかった。「青の詩人」と呼ばれ、ブルーやブルーグレーを基調とする重厚な作品を描き続けてきた上野氏が、まさか真っ赤っかの絵や、真っ黄っきの絵を描くことになろうとは夢にも思わなかった。しかもそれが、何必館館長・梶原芳友氏の使嗾によるものだということを知ったのはつい最近のことだ。梶原氏は上野氏に原色を使ってみたら、と唆した。上野氏は最初は戸惑いがあったものの、いつか原色のような熱い高揚感を覚えたという。また、呪縛から解き放たれたようで楽しい気分だともいう。
今になって思えば、何必館に展示された108枚の水彩の小品に端緒はあった。絵で詩を書くともいえる上野氏はそれを「俳句のようなもの」ととらえていたようだが、私はそれを「ライト・ヴァース」と呼びたい。詩人田村隆一が垂直的で緊張感溢れる作風から、晩年平明極まるライト・ヴァースに転じたことを思い出す。1932年生まれの上野氏は「私の仕事はこれからだ」という。
画家にとって変化こそ必要なものである。新しい挑戦意欲に溢れた水彩による「原色のライト・ヴァース」の数々を見ていただきたい。

新潟日報「あーとぴっくす」掲載