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2009tanaka田中幸男展

2009年8月28日(金)―9月6日(日) 10:00~18:00
会期中無休, 最終日は17:00まで.

◆ 色使いと色彩が奏でる空間 ─ 田中幸男展によせて
山下幸治|アート作家 


最初に感じるのは、心地よいストローク。そのストロークがリズミカルに踊り、豊かな重なりを生み、かすれを生む。これまで、田中幸男氏の作品をいろいろな場面で拝見してきたが、特に最近は、流れるストロークを存分に楽しんでいるような気がする。これも、以前の作品より形態の固さが消え、より自由度が増しているからではないだろうか。また、透明水彩の作品を多く目にするようになったこともその要因となっているように感じる。
ゆったりとしたストロークと、色彩。そのハーモニーは、透明な空間を演出している。ストロークに奥行きを与えているのは、田中氏の豊かな色彩感覚である。例えば、暖色系の淡い色彩が全体をまとめ、余白の白との空間を感じながら表現しているものなど、その様子がうかがえる。さらに、墨を表現の中に入れることにより、新たな空間と透明感を与えている作品も垣間見える。ストロークの合間に見える、空間。この空間が、田中氏の持ち味であり、追求する表現の根幹をなしているように思える。
今回の展覧会ではどのような空間を表現し、どのように色彩を織り交ぜながら追求した表現をわれわれに見せてくれるだろうか。新たな表現の変化と、追求する空間の世界を楽しませてくれることを期待したい。そして、ストロークと色彩の自由なハーモニーを作品を前にして堪能したい。

新潟日報「あーとぴっくす」掲載