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2009yamashita山下幸治展

2009年12月1日(火)―6日(日) 10:00~18:00
会期中無休, 最終日は16:00まで.

◆ 山下幸治作品展「光と時間」によせて
滝沢ナオト 


金の輝き、きらめきが人の心をとらえ続けてきたのはなぜだろう。レアな金属、加工が容易などの価値とは別次元で、その反射する光は時に天の高みを示し、時に妖しく人を誘う。古今東西誰もが認める美しさの前に、人は言葉を失う。
ある種リスキーなこの素材を、あえて用い、現代人としての美的感覚で再構築するという作業を山下幸治氏は行ってきた。美しいと感じるものたちを、素直に採り入れるナイーブさ。柔らかで繊細な感性。女性や花などの具象画に部分的に差し込まれていた金が、今回は透明な色彩が揺れる画面の中心で静かな光をたたえている。一種のイコンのように、存在の神秘に対する敬虔な思いが表れる。
世界にあふれる美を、自らの美意識で切り取る枠、窓としてスクエアが繰り返し用いられているが、この金箔部分の比率に細やかな美感が示される。そしてこの金と色彩とをつなぐように細く刻まれた線が、シンプルな表現を作品として成り立たせる生命線となっている。
秋に弥彦の丘で木々の間に鮮やかな色彩を見せた、赤い箱に金で十二支の古代文字が刻まれた作品も形を変えて展示される。中国で特別の意味を持つ赤と金が、また新たな文脈の中でとらえられ表現されるのが楽しみだ。

新潟日報「あーとぴっくす」掲載