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2009komiya小宮美由紀展

2009年8月3日(月)―14日(金) 10:00~18:00
会期中無休, 最終日は17:00まで.

◆ 小宮美由紀個展によせて
田中幸男|造形作家 


いつもはそのまま入ることのできるL字のギャラリースペースが壁、扉によって2つの空間に区切られる。1つ目は明るく、さらに奥は暗く。光、土、植物などによって温度、湿度を制御されたかのような空間が広がっている。光量の強い対比は、一瞬私たちの認識を妨げる。繊細な感情の機微は量の大小に捉えられ、流されてしまいがちである。そんなことも頭をよぎる。
小宮はこれまで平面、立体あるいは無形物といった身の回りにある素材を吟味、精査しながらユニークかつ大胆な切り口で発表を続けてきた。今回は会場ごと表現素材とするインスタレーションでの発表となっている。うかつにも開廊二年目のギャラリーがリフォームされたのかと錯覚してしまった。鑑賞者は用意された白い着衣を身にまとい、奥の暗がりに素足で踏み入れることが要求されている。仕切りを越えてそれぞれの空間を行き来する中で生まれる全身での体験、各自が持つ個人的な記憶との照合の作業がその作品の中核としてすえられている。明暗という一見明快な対比の背景にはこれまでの彼女の作品の奥に蠢く繊細かつ大胆な私的風景とも思えるような空間が生成されている。
会期限りで形を失う設置型の個展の宿命として作品の記録は来場者の記憶にとどまるところに負う。できるだけ多くの方々が素足の感触で楽しむ展覧会になることを期待している。

新潟日報「あーとぴっくす」掲載