GALLERY MU·AN
NEWS EXHIBITION RECORD RECORD BLOG CONTACT ABOUT WEBSHOP LINK

 twitter
  Instagram
 FACEBOOK

2008shiraishi白石晃一展

2008年10月4日(土)―12日(日) 10:00~18:00
会期中無休, 最終日は16:00まで.

◆ 白石晃一展によせて
馬場省吾|長岡造形大学教授 


白石晃一は今回が初の個展である。彼は学部・大学院と金属工芸の鋳金を専門に学んだ。そのころから空間を意識した作品を手掛け、修了制作ではブロンズによる球形の有機形態とそれを内包する細い鋼材で造られたキューブとの構成作品を発表している。
その後、表現手法を工芸形態から空間・ミクストメディアを意識したインスタレーションへと移行させ、昨年は虹の観測小屋「GO WEST!」を発表した。それは、古いリアカーを改造し小屋を載せた移動可能のものであり、その表情は錆び付き朽ち果てそうなトタンと、木やベニヤ板の切れ端などをツギハギに打ちつけたもので、外部に仕組まれた太陽電池パネルにより内部暗室にて虹を観測することができる装置を付随するもので、観客はこの内部の空間に虹を発見するのである。
このあたりから白石の考える世界観が茫洋とだが見えてくる。作品の成立は形を観せるものではなく、絶えずウツロウもの(虹)を作者と観者のインタラクティブな関係を目指す過程で実体化させることを目論んでいるようだ。
次に彼が試みたのが、今回の作品の前身である「Reconciling project」である。弥彦野外アート展でのプロジェクトであり、ここで白石はパフォーマンスによる表現を試みる。このときの映像には、修験者のような白装束に身を固め、背中にはまるで俵屋宗達の描いた雷神が背負う円形の太鼓のような、異形の装置(エンジン部以外はほぼ作者制作)を背負い、弥彦山の麓から山頂の奥宮まで登山し、奥宮前で背負ったままのエンジン付きの虹発生装置「ライジング-01」を稼動させ、噴霧により虹を発生させるという神仏をも恐れぬ!?行為に至った場面が記録されている。結果は今回の展示での記録映像で確認ができる。

2008shiraishi02この作品のコンセプトは弥彦に伝わる神話伝説を基に提示されたものであり、白石と随行する従者?までも頭を丸め、身を清めて登山する様子など、彼の今までの表現作品を含めて想うことは、どことなくユーモラスで見るものに優しい気持ちを抱かせるのはなぜだろうかと考える。ひとつには表現することへの外連味(けれんみ)のない真摯な姿勢から発せられるものだからではないだろうか。

新潟日報「あーとぴっくす」掲載